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オリジナルの力

2022年03月01日

 今年も2月となり、恒例の「大人のピアノ発表会」がやってまいりました。しかし、今年はいつもと違います。私の演目は『地獄の淵でRock Us Baby!』。言わずと知れたとまではいかないまでも、昨年来、多方面から反響をいただいている、何かとお騒がせな当社設立20周年記念曲です。作詞、作曲ともに私ですから、発表会はまさしく自作自演、モーツァルト、ベートーベン、リストなどの巨匠に交じってオリジナル曲で勝負という暴挙となりました。

 絶対の自信をもってエントリーした第三回NIKKEI全国社歌コンテストでは、「常識外れのやり方が好きさ」「くだらねえセオリー、Kick Ass SAYONARA」という反骨の歌詞が同一と連帯を貴ぶ日本の企業異文化としっくりいかなかったのか、あえなく敗退。それでも、当社内ではこの1年ですっかりこの歌詞が企業文化として定着し、どこかの経営本に書いてありそうな「あーすれば、こーなる」的なもっともらしい話を受け売りで語る者に対して、「くだらねえセオリー言ってんじゃねえよ」と戒めるのが日常となりました。

 そんな社員の気持ちも積もった大切な曲を弾くということで、いつもより責任も感じます。最近「イノベーションズアイ」に連載中のコラム『48歳法務奮闘記』が話題になってきている間庭さんと、この曲のミュージックビデオでコーラスを務め、多くの方から「モデルさんに頼んだの?」と注目されるマーケティング担当のピューちゃんも社員を代表して応援に来るのだそうで、自ずと緊張感も高まります。

 今回私の出番は全体プログラムのうち最終の第3部ということで、開始が夕方6時30分と遅い。そのため、当日は朝から何となく落ち着かない気持ちで過ごしていました。いよいよ自宅を出発する時間となり、山手線に乗ってふとスマホでメールを見ると、2、3日前に顧問弁護士に送った質問への回答が返ってきていました。「継続契約の法理」について解説がされており、それを踏まえてあれこれ考えていると今度は、最近ある企業の社長になった知り合いから「株主総会とか決算公告とか、どうしてますか?」とSMSでメッセージがありました。その返答を書いているうちに目的地の原宿に到着。こういう芸術性と対極をなす色気のないことを考えていると、なぜか時間も忘れ無我の境地に入ることができる自分はピアノとか向いてないよなあと思いつつも、何やら精神の安定を得たのはラッキーでした。

 会場に着くと既に先生はいらしていました。今更のように「演奏者と作曲者が同じだから、あれ?自分で作ったのかな、と皆さん思うかもしれませんね」とおっしゃる。うーん、そうなんですよ、先生。今頃気づきましたか。プログラムによると演奏番号11番、作曲者、奥野政樹、モーツァルトの次、リストの前なんです。プログラムをもらってからずっと考えていましたが、今の私には何の感情も湧きません。

 定刻になり、発表会は淡々と開始されました。演奏番号1番の男性がディズニーのメドレーを弾いたが、とても上手い。その後も、総じて例年よりみなレベルが高いように感じられる。まあ、今のようなご時勢に万難を排して出演しているのだから、みなさん相応に自信もあるのでしょう。ただ、曲はみな有名なものばかり。他人の作ったものであり、当たり前だが、さすがにそれを完全に自分のものにしている人はいない。あくまでも「弾かせていただいている」という謙虚な姿勢であり、自分を押し出す強い主張は感じられない。例年の私もそうであって、そうした謙虚さの中で出番を待っているうちにすっかり萎れてしまうのです。しかし今年は違います。私が演奏するのは私のオリジナル。社員みんなの曲です。他の参加者の演奏を聴いているうちに、だんだんと「俺の曲を聴かせたい」という強い気持ちが沸き起こってきました。

 「11番、奥野政樹さん。曲は、地獄の淵でロック・アス・ベイビー」のコールを受けて壇上へ。少々緊張はしているものの、これまでとの違いは、その緊張はカラオケを歌う前のそれに似ているということです。上手くやりたいという後ろ向きの緊張ではなく。聴かせたいという前向きの緊張です。弾き出すとどんどんと、「どうですか?初めて作ったにしては意外と悪くもないでしょう?ウチの会社の社歌なんですよ!」と会場のみなさんに語りかける気持ちになってきます。いつも人前で講演などをする時に似た気持ち。今回は右足でペダルを使わないので、気が付くと左足でリズムをとっていました。これがオリジナルの力か?つくづく私は、教科書に書いてあることを他人に教えるのは苦手ですが、自分という人間をプレゼンするのは実は好きなようです。

 とは言え、もちろん練習通りに弾けたわけではありません。それでも数百万円はするというピアノだけあって音がいいようで、私がちゃんとできるか吟味役で来た間庭さんとピューちゃんは、ことのほか喜んでくれました。

 おそらく、私がオリジナル曲を作ることはこの先もうないでしょう。そう言う意味では、たぶん今年が唯一無二の発表会になります。そんなわけで初めて、主催者が撮影して提供する演奏映像を買おうかと考えています。近いうちに当社のメディアで公開しますので、よろしければ覗いてみてください。

 

代表取締役 CEO 奥野 政樹

 

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