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やる気の仕組み

2021年09月01日


 やる気。モチベーションとも言う。これさえあれば何でもできるというわけではなく、これが空回りしておかしなことになったり、行動が伴わずにただの出まかせになったりしてしまうこともありますが、やはりあるとないでは、総じてあった方が結果は出やすい。また、やる気がなくて結果が出ることはまずない。つまり結果を出すためには、やる気があることは十分条件ではないが必要条件です。

 これだけ重要性がわかっていても、やる気を出すということはなかなかに難しい。自分のやる気を出すのだって骨が折れるのに、他人にやる気を出させるとなると、これはもうお手上げです。しかし組織を少しでもリードする立場になれば、この難題を軽々とこなすことが当然のように求められるわけです。

 考えてみるに、やる気が出ない理由には二つあると思います。一つはつまらないから。そしてもう一つは、できるはずがないと諦めているから。前者であれば、これをやったらお金をあげると言えば多少の効果は出る。後者であれば、「できたじゃない」と褒めてあげればよいのだそうで、それをまるで神の万能薬のように唱えている「人の動かし方」的な指南書も多い。

 しかし現実には、どちらも効果は限定的であって長続きしないわけです。お金などというものは取り分が少ないうちは増えると嬉しいが、限界効用の逓減が著しく、すぐに飽きます。大体にして、今の世の中は技術革新によって何でも安く手に入るようになっており、お金の価値というのがどんどん下がっている。そんなものたくさんもらったところで、つまらないものが面白くなったりはしにくい。一時的にはなっても継続しない。そのくせ、増えたお金が減るのだけはみな嫌なので、これが恐怖に変わる。そうなるともう、お金はやる気を出す理由より、「失点を避けるために仕事をしない理由」となってしまうわけです。

 一方、世間でやたらともてはやされている「褒める方式」はどうでしょう?確かに、諦めてやる気の出なかった人間が褒められてやる気を出すことはあるでしょう。けれどもそれは、できるはずがないと諦めていたことが「実はもしかしてできるのか!」という意外性と気付きを惹起された時のみに限られます。そして、そのような褒め方というのは実に難しい。いや、褒め方がどうかという前に、できるはずがないと諦めていたことが突然、実はできるなどという現象は、残念ながらほとんど無いのです。長らく諦めていたことができるようになるためには努力が必要なのであり、そのためには「やる気」が不可欠なのです。つまり、褒められて勘違いで一瞬やる気が出たとしても、そのやる気は長続きしないことが多い。ましてや、できて当たり前のことを褒められたり、明らかに本意ではない褒められ方をしたところで、まったく効果はありません。

 事程左様に、やる気を出すのは難しいし、やる気を出させるのはもっと難しい。ただ、オリンピックを見ていて一つ気が付いたことがありました。それは、素晴らしい成果を出した選手が万国共通に口を揃えて、判で押したように言う言葉。感情の最高に盛り上がった時の言葉なので、相当に本音に近いのだと思います。

「これまですごく苦しかったけど、色々な人に支えられてここまでやってこられました。感謝の気持ちで一杯です。」

 この言葉から感じられることは、異常なほどの苦しみを乗り越えるための強いやる気の原動力というのは、自己の満足や幸せという内向きのものではなく、周囲の他者のためという外向きの要因から生まれるということです。つまり人間というのは、自らが何かを達成したことによる喜びよりも他人に喜んでもらえる喜びの方がはるかに大きいということになります。

 とすると、やる気に満ちた組織を作るなら業績評価による報酬の差別化や褒める主義ではなく、お互いが喜び合える仕組みを作ることが最も効果的ということになります。そのためにはどうするか。明確な組織共通目標の設定とか、お互いの仕事の見える化みたいなつまらないことしか今は思い浮かばないので、今日はもうやめます。そのうちいいことが思いついたら、またご披露します。ただひとつ今言えることは、喜びというのは決して楽から生まれることはないので、やる気に満ちた楽な組織というものは存在しないのであろうということです。

 

代表取締役 CEO 奥野 政樹

 

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