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ニューノーマル

2020年06月01日


 緊急事態宣言もようやく解除されました。しかしこれで元の生活に戻れるわけではなく、「ニューノーマル」なる新しい生活様式に世の中は移行していくのだとか。しかし、その内容についてはまだよくわかりません。

 歴史をひも解いてみると、8世紀に平城京であった奈良の都で天然痘が大流行し、大和朝廷の政権基盤に甚大な打撃を与えました。このときに経済復興策として出されたのが、昔教科書に書かれていた『墾田永年私財法』なのだそうです。もともと大和政権では公地公民制度、つまり土地の私有を認めていなかった。今で言えば共産主義に近い仕組みです。それを、これより20年ほど前に発布された『三世一身法』では限定的に土地の私有を認めましたが、『墾田永年私財法』では全面的に解禁となったわけです。その結果、以降は持つ者と持たざる者の貧富の差が急拡大し、財力というものが力の源泉となる、今でいうところの資本主義的な世の中に大転換したのです。

 更に富裕層が土地と財産を守るために武装集団を雇うようになりました。やがてその武装集団が力をつけると、持ち前の武力をもって自らの雇い主から独立し、あるいは土地を奪い取って自ら所有するようになります。そして、この武士による土地所有を保証する仕組みを政策の根幹とする軍事政権が誕生します。これが鎌倉幕府です。これ以降700年に渡り、日本ではこの軍事政権が実質的に政権を掌握することとなります。

 そうした軍事政権が誕生して700年ほど経つと、今度は時の政権の中心地であった江戸の町でコレラが大流行しました。この病気は別名「コロリ」とも呼ばれたほど致死率が高く、当時の江戸の人口が100万人くらいであったところ20万人から30万人が死亡したということなので、その衝撃度は今回のコロナどころではなかったでしょう。この危機的状況に対して、幕府は手洗いと換気の励行というどこかで聞いたような対策しか打ち出せなかったようで、これだけが原因というわけではありませんが、結果的に程なく700年続いた軍事政権は崩壊し、欧米型の近代的民主政治へと時代は大きく変わっていきます。

 パンデミックが起きると時代が大きく動く。必ずしもそう言い切れるものではないでしょうが、それを心配する論調は多く見受けられます。大きく変わるとすれば、やはりその矛先は今の世の中を支えている2大理念へと向かうのでしょう。つまり民主主義と資本主義です。

 実際、緊急事態宣言のどさくさに紛れて、自らの政策に批判的な言動をとった私人であるコメディアンに地方自治体の首長が圧力をかけるという、民主主義の根幹をなす「言論の自由」をないがしろにするような行為も横行しているやに聞きます。また緊急事態宣言に向けて、何の根拠があるのかわからない「明確な基準」なるものを示すことで決断力を演出しているリーダーも多いです。このようなことが民主主義の危機を示しているのも確かだとは思いますが、更に危機的なのは、このようなリーダーの言動を称賛する民衆も多いということでしょう。結局、パンデミックによる恐怖にさらされると、これまで安全に慣れ切ってしまっていた民意は正しく機能しなくなる。よって、民意の多数決が最適解であるという、民主主義の原則そのものが成り立たなくなってしまうのは必然なのかもしれません。

 そしてもう一方の資本主義。こちらは単純に、今回コロナ対策でこんなに国のお金を使ってしまって、今後一体どうなってしまうのだろうということでしょう。確か先進国の国家財政というのはどこの国も火の車であり、日本だってその例外ではなかったはずです。そこに来て、連日メディアでは何十兆円もの追加支出が報じられており、このままで済むわけがないよなあと感じるのは私だけではないでしょう。今後、資本主義の根幹をなす財産の私有ということに大幅な修正がかかり、統制経済的な風潮が強まっていくのではないかと心配したくなる気持ちはわかります。

 ただ、この統制経済も悪いことばかりではないのかもしれません。今回テレワークをやってみて思ったこと、それはやっぱり「人間はもうそんなに働かなくてもいいんだよなあ」ということです。仕事なんかAIとロボットにやらせておけばよい。その労働の上がりを人間が分配する。そのためのルールがまあ、なにがしかある。それが統制ですが、そもそもお金というもの自体が大して大事なものではない。そんなことより人間はもっと夢のある楽しいものを追求しよう。もしかしたら、そういう方向に世の中は向かうのかもしれません。



 
 何だか雲をつかむような話ばかりしてしまいましたので、最後に少し現実的なことを書こうかと思います。今後の経営ですが、まず社員が3つのカテゴリーに分化されることを前提としなければならないかなと思っています。

①テレワークで脇目も振らず1日中仕事をしている人
②テレワークで存在が分からなくなってしまう人
③テレワークせずになぜかいつも会社にいる人

この3つのカテゴリーの戦力を融合して一つの戦闘集団を作り上げていくのは、相当に難しいのではないかということです。どのような問題や課題が発生するのかは、現段階では思いも付きません。ただ一つ言えることは、ルールや制度を作って解決するのは不可能であろうということです。体系的なソリューションのできない時代、これからは出てきた問題や課題を一つずつ臨機応変に潰していくしかない。例えて言うなら、「もぐら叩き形式」の時代に入ったということではないでしょうか。
さぁ、頑張りましょう。

 

代表取締役 CEO 奥野 政樹

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