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CEOニュースレター

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陰キャ

2018年11月

大阪市立大学商学部の教授と良縁をいただきまして、毎年、先生の授業の一コマをお借りして学生向けに「国際ビジネス」についての講義をしています。今回で3回目となる授業を先週行ってきました。毎日見ていると気が付かないものですが、私の息子も大きくなり、学生の皆さんといわば同世代。つまりは息子の同級生達を相手に講義を行うようなものですが、そう考えるとかえって気恥しいものもあり、何をどう話そうかと年を追うごとに迷うようになりました。

 とにかく、これから社会へと出ていく学生さん達に仕事の面白さと興奮が伝わる話をして、今後のキャリア形成に刺激と希望を感じてもらえるような内容にしたいと思うわけですが、教壇の上から自分の息子と同世代の若者に向けて話をするとなると、どうしても自慢話や説教に偏りがちになるものです。そうはならないように、なるべく自分自身が社会で面白いと思うことを自分なりの言葉で素直に語ることを心掛けていますが、なにせ世代格差が大きいので、自分の価値観から学生さん達が何かしら感じ取ってくれるものがあるかどうかはいつも不安なところです。

これまでの2回は、実際のビジネス現場で私が日々感じる日本と海外の価値観の違い、及びそこから生まれる大きな勘違いやいざこざとその対応方法を中心に話してきました。具体的には、日本における「和」という理念とそれを支える「空気」という行動規範が、世界的に見ると特殊で理解されないものであり、国際ビジネスをやる上では大いなる修正が求められるということを事例とともに解説したものです。

 その柱は今回も変えてはいないのですが、学生さん達の目下の関心は何と言っても就職でしょうから、少し私の就職の時の話、なぜ国際ビジネスに関わることになったか、そしてどのようにキャリア形成してきたかについても触れてみました。題して「自己分析なしからの国際ビジネス」。

実は私は学生時代には外国人と話したこともなく、将来国際ビジネスをやることになるとは夢にも思わなかった。そもそも、就職活動時に自分が将来どうなりたいとかまったく考えていなかった。ただ考えていたのは、根拠もなく自分は「優秀」であり、採用すれば必ずいいことがあるのだから採用すべきであるということだけ。その結果ほとんどの採用面接で落とされ、ほうほうの体でなぜか拾ってくれた一社に就職した。就職しても相変わらず将来のキャリア・プラン作りにはいい加減であったが、ある時ふいに米国へ留学する機会を得て、それ以来、いつのまにか国際派に転身して現在に至る。かいつまんで記すとそんな話です。

 こういう話はどうしても説教臭く、自慢話っぽくもなってしまうものですが、私の思いとしては、まあ、あんまり若いうちから自分の将来をキメキメで絞っていくよりも、自分自身を信じて、可能性を広く持って、与えられた環境を最大限活かしながらじっくりとキャリア形成していくのも悪くないのではないかという、エコなやり方を提示したいということです。講義後のアンケートを読ませてもらうと、「社会人になっても学び続けることが大切なんだと思った。」というものもあり、概ね私の思いが伝わったようではあると感じました。…帰宅するまでは。

今回は講義の前日に大阪入りをしたので、一泊二日の出張となりました。出がけに「お父さんは今日大阪泊りで帰らないよ。」と息子に声をかけると、「何しに行くの?」とのこと。普段は私の仕事になど興味を持たないのに珍しいことを聞くなと思いながら「大阪市立大学で講義をしに行くんだ。」と答えると、「え、そうなの?」と意外そう。しかし男の子とのコミュニケーションというのはこれくらいが限界で、「なぜ?」という追加質問はありませんでした。

 翌日の夜に帰宅すると、妻から「あんた、どこ行ってたん?」との質問。当然のように息子からの情報共有はなかった様子。「大阪」、「何しに?」、「大阪市立大学で国際ビジネスの講義」、「また“勢太郎のジジイ放談”か?(妻はこのラジオ番組がいたってお嫌い)」とまあ、ありがちなやり取りがあり、その後軽く、学生から出た質問とそれに対する私の回答を披露しました。

 <質問>

「奥野社長は、学生の頃は受け身というか、流れに身を任せる人だったようですが、どこでそれが変わって、積極的に仕事に取り組む人になったんですか?」

 <私の答え>

「もしかしたら留学経験が私を変えたという答えを期待しているのかもしれませんが、実は違います。学生の頃の馬鹿げた飲み会とか無目的な一生懸命の青春主義って全然馴染めなかったんだよね。ただ、将来の自分に対する沸々とした期待はあったし、逆に今も将来の事をそんなに深く考えないのは昔と同じ。留学したから何かが根本的に変わったということはないです。」

それを聞いて、最近私とはまともな会話能力を失っている中2の娘がやおら口を開きました。「わー、陰キャ!」 え、と思い「何、それ?」と聞くと「陰キャ、ウザい、ダサい、サイテー、消えて欲しい。」いつものことながら解説なし。ググッてみると、これは想像通り“陰気なキャラクター”の略語だそうで、若年層において“陰キャ”と呼ばれることは死とほぼ同義であるようです。うーん、学生さん達の温かいアンケートのお言葉はすべて処世術だったのだろうか。そう思うと、次回が怖くなる私でありました。

 

代表取締役 CEO  奥野 政樹
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